「看る力」を読んで「看られる覚悟」も必要だと気づいた件

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エンディングサロン 美々庵へようこそ。

終活ナビゲーターのびびあんです。

今回は、阿川佐和子さんと大塚宣夫氏の共著「看る力」の内容から、介護する側・される側それぞれの視点で、どのように終末期の生活と介護に向き合っていけば良いのか、をお話します。

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看る力 レビュー

阿川佐和子さんの著書「聞く力」「叱られる力」を以前読んだことがあります。

いずれも軽いテンポで読みやすい一方で、訴えかけてくる内容のある本でした。

聞く力 心をひらく35のヒント (文春新書)

叱られる力 聞く力2

6月に出版された「看る力」も、特にこのブログに関係する介護の内容でしたので、ずっと読もうと思っていたのです。

今回は「看る力」を読んで、介護や終末期に向き合うご本人とご家族の姿勢において、自分なりになるほどと思った点を取り上げ、それらに対しての提案や対処法を交えてお話したいと思います

記事中引用により、「看る力」の一部ネタバレとなってしまいますので、内容を先にここで知りたくない場合は、本を読んだ後でこの記事をお読みいただければ幸いです。

目次「看る力」より

不思議なことに、たとえ飲み込みに障害がある人でも、好きなものなら喉を通るんですよ。

出典:阿川佐和子・大塚宣夫、「看る力 アガワ流介護入門」、文藝春秋、2018年、kindle版 位置57

阿川佐和子さんのお父様(小説家の阿川弘之氏)が終末期に入院されていた病院で、モットーとしていたことは「医療より介護、介護より生活」つまり、極力入院前と同じ生活ができるように環境を整えることだそうです。

その上で、朝になれば起こして着替えをして、更にお洒落をするといった「生活にハリをつくる」ことで、気持ちが前向きになり、元気になる方は少なくないと言います。

びびあん
医療の優先される通常とは逆の発想が、患者さんが元気になる秘訣だったんですね。

まわりから見たら理屈に合わない発言や行動でも、本人にとっては、残った記憶と情報をもとに行動しているわけだから、整合性はあるわけですね。

引用:前掲書、位置245

認知症は、言い換えると記憶障害があるために、新しく入ってきた情報を処理できなくなっている状態だそうです。

認知症のご本人としては、上記のとおり少ない記憶を頼りに、自分なりに判断し、行動しているのだから、情報をうまく処理できなくても、否定したりバカにしたりしないことが大切だといいます。

びびあん
元の状態に戻そう・正そうとするのではなく、同意・肯定で返すようにしましょう。

できるだけたくさんの人を巻き込み、関わるみんながときどき休める仕組みをつくること。

引用:前掲書、位置309

介護は、まずそれなりの人手がなければ続けられないと知ることだそうです。

周りに迷惑をかけないよう、自分一人で無理をして頑張ろうとする人が多いですが、介護する側こそ良い精神状態を保てるように、休み休みやることが、介護を続けるための基本だといいます。

びびあん
デイサービスやヘルパーさんも活用して、一人で全力投球しないようにしてください!

認知症の方は、言われたことは記憶できないけれど、相手が自分に対してどんな感情を持っていたか、怒りなのかイライラなのか愛なのか、そういうことだけは、きちんと記憶に残るんです。

引用:前掲書、位置419

イライラして接すると、「この人は自分を良く思っていない」という感情だけが残るので、それが続くと、その人に対する恐れや不信感ばかりが募ることになるそうです。

そこで、介護する側の気持ちをいつも一定に保っておかないと、ご本人に伝わってしまうといいます。

びびあん
上の話とも関係しますが、だからこそ介護する側が疲れて(イライラして)しまわないように、ということですね。

一人、あるいは高齢者同士の暮らしは、少々体調が悪くても自分で動かなければいけなくて、緊張感があります。一見過酷に思えますが、老化防止や認知症の進行を防ぐ特効薬でもあるんですよ。

引用:前掲書、位置526

周囲が全てを介助したり、高齢者ホームなどの施設に入ると、生活全般が人任せとなり、結果気力も体力も落ち、認知症が進行することもあるようです。

かなり進行した認知症の方も一人暮らしは可能で、その人なりの能力をフルに使って生活できるといいます。

びびあん
身内だとつい心配になりますが、本人が困っていなければ、手伝い過ぎるのも考えものなんですね。

ヨーロッパの場合は、親と子の関係がもっとドライなんですよ。成人したら親は親、子は子で暮らすから、次世代との同居率が極めて低い。だからナーシングホームといわれる施設に入るのは普通のことです。

引用:前掲書、位置601

自分のことは自分で責任を持って決断する気持ちが、日本より強いと言えるヨーロッパの社会では、ナーシングホーム(高齢者ホーム)に入ることは子供に見放されることでも、孤独になることでもないようです。

子供もそれを親不孝であるとか、罪の意識を感じることはないといいます。

びびあん
日本も近年ではヨーロッパと同じ傾向にあるようですね。

役に立つこと、期待される役割があること。やはり、人間の生きる意欲の源はそこにあるといってもいいかもしれません。

引用:前掲書、位置707

自分がいなければ成り立たないという状況に置かれると、その人の持つ能力が最大化・活性化されるそうです。

規模の大小・内容の如何にかかわらず、自分が役に立っていると感じられる場を、周囲がつくれたら良いといいます。

びびあん
確かにこれは、認知症であるかどうかにかかわらず、多くの人に共通して言えることかもしれませんね。

目次「看られる覚悟」より

七十五歳を過ぎたら、体の言うこと聞いて楽させたらもう終わり。体が何と言おうと、気力に体力を引っ張らせることこそが大切ですよ。

引用:前掲書、位置1373

百五歳で亡くなった聖路加国際病院の日野原先生は、取材や講演の依頼をほぼ全て引き受けておられたそうで、毎日時間になれば会場へ向かわなければならないと、だからこそ気を張っていられたそうです。

若者は頑張りすぎると過労死の恐れがありますが、高齢者の場合はどれだけ気合いを入れても、途中で体がついて来なくなるので、過労死には至らないし、万一ぽっくり亡くなったとしても、それは多くの高齢者が望む形では、といいます。

びびあん
いつまでも、生活にハリを持たせることが大事なんですね。

子どもたちには「自分のことはすべて自分でするから、その代わり財産はアテにするな」と宣言してほしいですね。国にも次世代にも面倒を見てもらわないという前提で人生設計をすれば、いろいろな問題がしっかり見えてきて、解決への道もひらけます。

引用:前掲書、位置1563

計画的に貯金していれば、老後の介護を依頼できたり、施設に入れたりします。

一千万は貯金して、子孫に残すことより、老後の自分のために使うことで、家族の負担を減らし、自分の人生を全うするべきと言います。

びびあん
こうしたやり方を代々継いでいけば、ヨーロッパのように皆が自立した社会になるかもしれませんね。

不治の病気や寝たきりなどで動けなくなったときに転がり込む先を、元気なうちに見定めておくべきです。

引用:前掲書、位置1720

終の住処(ついのすみか)を決めておけば、不安が解消され、前向きに生きられると言います。

ただ、そこへ移る時期はなるべく後回しにできるよう、できるところまで自力で頑張るのだそうです。

びびあん
家を探すのと同じくらい真剣に、終の住処も探しましょう。

まとめ

わたしの親せきは認知症(自治体認定は要介護1ですが、担当のケアマネジャーさん曰く、実際は要介護3程度なのでは、ということ)ですが、今夏高齢者ホームに入所するまで一人暮らしをしていました。

この親せきが一人暮らしをしていた頃は、我が家で同居させたほうがいいんじゃないかとか、週に何回かでもヘルパーさんをお願いしたほうがいいんじゃないかと、心配したことも度々ありました。

ただ、本人がずっと同居を拒んでいたこと、そして特に認知症初期の頃は、「まだ自分は元気なのだから余計なことをしてくれるな」といった態度でしたので、本人の意思を尊重する意味でも、我々は時々様子を見に行き、問題があれば対応する形をとっていました。

この親せきが高齢者ホームに入ってからも、自分たちの対応が間違ってはいなかったか、また今後自分の親が認知症になった場合に、自分がどのように行動すべきか考えあぐねていましたが・・・

「看る力」の中で「認知症の方の一人暮らしは一見過酷だが進行を防ぐ特効薬」との話を読んで、我々がこの親せきに対してとった行動は、結果的に良かったのではないかと思えてきました。

「看る力」には、この記事の内容以外にも、終末期や介護にまつわる興味深い話がたくさん取り上げられていますので、ご自身や身内の老後や介護に対し、多少なり不安を抱えておられるなら、是非一度読んでみてください。

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

別の記事でもお会いできることを楽しみにしております。

 

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